三瓶温泉は以前に『志学薬師湯(鶴の湯)』の項にて紹介したが、今回はその三瓶温泉にもう1軒ある共同浴場、『亀の湯』の紹介である。
鶴亀揃ってめでたい事である。
『志学薬師湯(鶴の湯)』が温泉街(と書くのがためらわれる程小規模だが)にあるのに対して、『亀の湯』はそこから坂を下った住宅街の中にある、目立たないつくりの小さな無人の共同浴場だ。
料金は200円。自分で料金箱に投入して入浴する。長く100円でやってきたが、燃料費の高騰により今年値上げされたのである。
100円で入れる温泉もさすがに少なく、知る限り中国地方にあっては島根県(須佐温泉)と山口県(宮野温泉)に一つずつあるだけ(山口県に80円の施設もあるが)で、どちらも何と言うか、福祉施設的な雰囲気のものであって、純粋に温泉共同浴場として100円で入れるのは『亀の湯』が唯一であったと思っている。
脱衣所にはロッカーはない。
昔ながらの棚があるだけ。
シンプル。
浴室には楕円形の浴槽(亀の甲羅のイメージか?)があるだけ・・・これまたシンプル。
このシンプルな浴槽に源泉から引かれた湯が豪快に注がれている。奥の壁から出る湯口からは加熱されていない源泉が、浴槽中央の煙突型の湯口からは加熱された源泉が出てくる。
今回、営業開始時間を『?』として書いたが、午前中でも浴槽に湯が張ってあれば入浴できる。
ただし加熱されるのは午後5時からなので、それまではかなりぬるめの湯加減(源泉で37℃程度)である。
加熱開始の時間帯を見てもわかるが地元密着型の温泉である。
冬場に非加熱の時間帯に入浴するのは厳しいものがあるが、夏場ならこのぬるい湯加減がおすすめである。昼間は休日でも人が少なく、貸切状態で湯を楽しむこともできるだろう。
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