安価に良い湯が楽しめる共同浴場をこよなく愛する私であるが、たまにはちょっと贅沢をしてみたくなる日もあるのである。
湯田温泉は山口市街地のど真ん中に位置する、山口県を代表する温泉地である。
旅館・ホテルが建ち並ぶ一角からは少し離れた低い山の懐に旅館『山水園』がある。障子岳と権現山の二つの低山に囲まれ、広く美しい庭園を持つこの旅館は、市街地にありながら非常に環境がよろしい。
その『山水園』の敷地の一角にあるのが今回紹介の日帰り入浴施設『翠山の湯』である。
泉質は弱アルカリ性単純温泉。70℃と28℃の自家源泉を混合させた、白い湯の花が舞う無色透明な湯が石張りの内湯にも露天にもたっぷり掛け流されている。シャワーもカランも温泉である。(ちょっとシャワーの水勢が控え目過ぎるが)湯に浸かれば硫黄の匂いが芳しく、アルカリ泉らしくぬるっとした肌触りがまた何とも楽しいではないか。
露天に入っている時など市街地らしくクラクションなど聞こえてきたりする事もあるが、そこらへんは気の持ち様でどうにでもなるのである。
温泉などあまり行った事がないというような人は、最初の頃はこのような所に行ってみるのもいいのではないだろうか。正直言って料金は高いが、サウナもあって設備充実、シャンプー等の備品にタオルも備え付けで手ぶらで行ける。それに何より湯が素晴らしい。
温泉は湯が売り物であろうと思う。露天がある、ロケーションが良い、設備が良いというのは、いわば付加価値のようなもんである。
でも、やっぱりちょっと高いんじゃないかなとも思う。
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