村の情報発信こだわりの温泉


出雲湯村温泉 元湯(旧・漆仁湯)


(島根県雲南市)
  10:00〜21:00(無休) 320円

福山から国道182号で東城町方面へ。東城町内で国道314号へ折れ、広島・島根県境、おろちループを経て出雲湯村温泉まで延々同国道を走る。

福山から約130q。



出雲国風土記という古書をご存知だろうか。今から1200年も昔に編さんされた書物である。

私も名前くらいは知っている。どんな内容かというと、出雲国の地勢や交通、産品などをまとめた、まあ言ってみれば中央に提出する県勢報告書みたいなものであろう。・・・で、その出雲国風土記の中に、温泉の記述が3つある。

そして、「仁多郡(にたのごおり)漆仁川(しつにのかわ 現・斐伊川)のほとりに薬湯あり」とされているのが、この出雲湯村温泉なのである。
現在の出雲湯村温泉は、共同浴場1軒と旅館1軒、川を挟んで国民宿舎1軒の小さな温泉地である。

その共同浴場が『元湯』である。ここは狭い道を挟んだ向かいにある旅館『湯乃上館』が管理している。

斐伊川沿いの少々手狭なスペースに建つ『元湯』は近年建て替えられたものだ。


かつての『漆仁湯』は外来客用と地元客用の2種類の浴室を備えた、いい感じに鄙びた施設だったようだが、建て替えをうけて地元客用の浴場は別の場所に移転した。内湯は広くなり、小さいながらも露天風呂もついた。川風を感じる休憩所に、無料の足湯もできた。


設備は変わっても湯は昔のままである。源泉で42.6℃の無色透明な湯は加温・加水の必要なく、浴槽に導かれて実に丁度よい温度になる。湯が溢れるのも委細構わず、新しい湯が絶え間なく注がれる。

シャワーや蛇口はないが、使い湯用として備えられた木製のマスにも温泉が注がれるというあまり見られない方法をとっており、頭など洗うにも不自由しない。
なお、『元湯』のやや上流の河原に天然に近い露天があるのだが、これについてはいずれ改めて紹介したいと思う。

斐伊川のほとりの小さな薬湯は、今もなお健在なのである。



003-掲載日:2005/03/07  sasaki

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